国税関係帳簿の保存要件とは?
これまで電子帳簿保存法は大別して四つの制度で構成されていると説明しました。 各制度において保存対象となる帳簿書類や情報は異なり、その態様により適正公平な課税の確保に必要な条件も異なることから、制度ごとに保存要件が異なっています。
ここでは、まず国税関係帳簿(優良な電子帳簿を前提)の電磁的記録による保存の要件から見ていきましょう。
保存義務者は、財務省令で定めるところにより、国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができるとされており、電子帳簿保存法施行規則3条1項1号から5号までに保存要件が規定されています。国税関係帳簿に係る電子計算機処理に、次に掲げる電子計算機処理システムを使用することが要件となります。
国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項とその国税関係帳簿に関連する国税関係帳簿 (「関連国税関係帳簿」といいます。) の記録事項 (その関連国税関係帳等が、電子帳簿保存法4条1項又同法5条1項若しくは3項の承認を受けているものである場合には、その関連国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項) との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくことが要件となります。
国税関係書に係る電磁的記録の備付け及び保存に併せて、次に掲げる書類の備付けを行うことが要件となります。ただし、 国税関係帳簿に係る電子計算機処理に保存義務者が開発したプログラム(電子帳簿保存法6条1項に規定するプログラム)以外のプログラムを使用する場合には①及び2掲げる書類は除かれ、国税関係帳等に係る電子計算機処理を他の者 (当該電子計算機処理に当該保存義務者が開発したプログラムを使用する者を除きます。)に委託している場合には③に掲げる書類は除かれます。
① 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの概要を記載した書類
② 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの開発に際して作成した書類
③ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの操作説明書
④ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理並びに当該国税関係帳簿に 係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書 類 (当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び 保存に関する事務手続を明らかにした書類)
国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をする場所にその電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくことが要件となります。
国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる、 次に掲げる要件を満たす機能を確保しておくことが要件となります。
① 取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目 (「記録項目」といいます。)を検索の条件として設定することができること。
② 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
③ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。