本コラムは、以下のお悩みを抱えている中小企業経営者に特に読んでいただきたいです。
DDは買収者だけが行うものではありません。DDの種類を 「DDの実施者」 を軸に考えた場合、大きく2つに大別することが可能です。
買収者によるDD |
買収者の立場に立った外部専門家を交え、買収可否、リスクの抽出、企業価値評価、株主等第三者への説明責任を果たすため等を目的として実施するDD。いわゆる通常のDD |
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セルサイドDD | 売却者の立場に立った外部専門家を交え、売却価格最大化、売却取引におけるボトルネック把握、交渉戦略立案、交渉の円滑化等を目的として行うDD |
セルサイドDD | 売却者の立場に立った外部専門家を交え、売却価格最大化、売却取引におけるボトルネック把握、交渉戦略立案、交渉の円滑化等を目的として行うDD |
1つ目の「買収者によるDD」は、いわゆる買収者側が行う通常のDDです。 M&Aに携わっていない方にもM&Aにおいて、買収者側がDDを行う」こと自体はよく知られています。一方、2つ目の「セルサイドDD」は、M&Aに携わっていない方には聞きなれない言葉かもしれません。しかし、これこそが強く重要性を強調したいDDです。 FAがアサインされない場合、FAが経験不足のためセルサイドDDの重要性を理解していない場合、メリットがコストに比較して弱い場合等には、セルサイドDDが実施されないケースも多くみられます。しかし、最低限の「セルサイドDD」はほとんどのケースにおいて、売却者にとって実施しておくべき重要な手続きであると考えています。
セルサイドDDは大きく3つの目的に分類できます。
株主構成、対象会社財務状況、誰が対価を受領したいのか、残存する繰越欠損金、取引先との契約状況と多寡、希望売却金額と相場観等を 総合的に鑑みたうえで、最適なスキームは何か、各スキームがどのような経済的インパクトを当事者にもたらすのか等を検証していきます。
売却者が、対象会社の情報を買収者に比べて豊富に有しているということは言うまでもありません。 このことから、セルサイドDDにおいては外部専門家のアドバイスを受けつつも、売却者自身が主体的に実行することでよい結果をもたらすと言えるでしょう。