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M&A基礎講座⑥ デューデリジェンス (DD) の進め方

1.DDの対象範囲にはどのようなものがあり、どのようにして決定すればよいか?

1.DDの対象範囲とは

多くの案件でDDの対象範囲となるのは、財務、税務、法務、人事労務、ビジネスで、案件特性に応じて、不動産、環境、システムも対象とすることもあります。 範囲の決定については、対象会社が所属する業界特有のリスクや規模、買手のDDに対する予算等を総合的に考慮して決定することになり ます。以下、多くの案件で対象範囲となる、財務、税務、法務、人事労務、ビジネスについて説明します。

(ア) 財務DD

主に対象会社の正常収益力と、実態純資産を明らかにすることが目的です。対象会社の過去の決算書 (B/S、P/L、C/F等) を対象とし、会計士等の専門家が実施します。対象会社の正常収益力とは、主に決算書のP/L面において、正常な営業活動を行った場合に得られる収益力のことです。一時的または正常でない要因や、グループ間取引を修正し、実態としての収益力を示すものとなります。 対象会社の実態純資産とは、主に決算書のB/S面において、計上されている資産負債を時価ベースで評価することおよび、現在計上されていない、計上すべき資産負債を計上したうえでの実態としての純資産(資産と負債の差 )を明らかにします。 

その他、キャッシュフロー分析(資金収支、運転資木、設備投資等の状況を分析すること)やスタンドアローン分析(対象会社または対象事業が本社またはグループ会社より管理機能等の支援を受けている場合、M&A実行後に対象会社が単度で事業継続する場合に、不足する管理機能等を洗い出し、それを補うために追加で必要となる費用等を分析すること) を行うこともあります。

(イ) 税務DD

主に対象会社の税務リスクを把握することが目的です。対象会社の税務申告書等を対象とし、税理士等の専門家が実施します。税務リスクは、過去の税務処理の間違いや、税務当局の判断によっては指摘事項となりうるようなことであり、対象会社の税務に関わる経済的損失が生じる可能性のことをいいます。

(ウ) 法務DD

主に対象会社の法務リスクを把握することが目的です。 対象会社の会社運 営 (取締役会・経営会議 営業会議等)、 議事録(株主総会・取締役会)、 契約書、許認可や登記関係の書類を対象とし、弁護士等の専門家が実施します。 主な法務リスクには、契約の不備、法定書類の不備、訴訟や紛争といったことが含まれます。

(エ)人事労務DD

主に対象会社の人事リスクを把握することが目的です。対象会社の人事規程、従業員の一覧、給与台帳、勤怠データや労使協定等の書類を対象とし、弁護士や社会保険労務士等の専門家が実施します。人事労務リスクには、残業代の未払いや労働時間の管理体制の不備等が含まれます。 

(オ) ビジネスDD

主に対象会社の事業の将来性と、シナジーを把握することが目的です。 対象会社の事業を取り巻くマクロ環境、市場、競合、ビジネスプロセス等を対象とした事業構造分析と、 事業別、製品別、顧客別、機能別等に対象会社を 分析する業界構造分析により、対象会社の経営実態を把握し、事業の将来性 を見極めます。次に、把握された経営実態を整理したうえで、実現可能性と 経済性から中長期的なシナジーを抽出・整理し、M&A後の対象会社のバリューアップ機会を抽出します。 買手またはコンサルティング会社にて実施します。

2.DDの開示資料リストは、売手と買手のどちらがどのようにして作成するのか? 

1 DDの開示資料リストの意義とは

DDは、具体的には対象会社の資料を閲覧し、インタビューやExcel等で作 成した質問リストおよび回答を通じて進めます。そのため、対象会社の資料 の確認は、DDを進めるにあたっての基本となります。また、資料準備は対象会社の担当者の負担になることから、担当者の実務負担を抑え、余裕を もって準備をしてもらうために、開示を希望する資料を一覧で取りまとめ、 開示資料リストとして提出することが、 DDの第一歩となります。

2 DDの開示資料リストはどちらが作成するのか

DD の開示資料リストを、買手と売手 (対象会社) のどちらが作成するか については明確な取決めはありません。買手売手のどちらも作成する場合が ありますので、状況に応じて効率的なほうを選定することになります。

(ア) 買手にて開示資料リストを作成する場合

買手のDD担当の専門家が、必要な資料をリストにまとめたうえで、売手 に提示する方法です。この場合の買手のメリットとしては、買手が希望する 資料がもれなく依頼されることになるため、情報のもれが少ないことがあげられます。また、売手にとっても、 リストに記載されている資料 「だけ」準備すれば足りるというメリットがあります。しかし、開示資料のボ リュームが非常に多い場合や、 買手候補先が複数社残っている場合は、買手にて開示資料リストをつくると対象会社の担当者の負担が大きくなることから、 下記の(イ)の売手にて開示資料を作成する場合が多いです。

(イ)売手にて開示資料リストを作成する場合

売手にて対象会社に保管されている資料で、一般的にDDに必要と思われる資料を取りまとめてリスト化し、買手に提示する方法です。この場合の売手のメリットとしては、事前に売手でリストを作成するため、 事前準備が可能であること、また、買手候補先の数に関係なく、一括して対応できるため、対象会社の担当者の業務負荷の軽減につながります。 さらに、買手にとっても、開示資料リスト記載の資料は、対象会社に存在し、かつ入手が可能なため、開示資料リスト記載の資料のみで足りるのであれば、追加の資料提供依頼を行う必要がないというメリットがあります。

一方で、売手が提出した資料よりも、買手(専門家を含みます)が求める資料の範囲が広い場合、結局追加で買手から売手に資料提供を依頼することになり、当初のメリットであった売手担当者の業務負荷の軽減効果が得られない場合があります。そのため、売手から開示資料リストを作成する際は、追加で資料提供を依頼される回数が少なくなるよう、存在する資料は幅広く準備しておくことで効率的なDD対応につなげることができます。

開示資料リストのひな型

基本資料

I-1 会社案内

I-2 商業登記簿謄本

I-3 定款

I-4 株主名簿

I-5 役員に関する資料(氏名、役員報酬等)

I-6 組織図(店舗、部署別人員明細を含む)

I-7 従業員リスト(匿名可。人数、在職年数(平均)、給与水準(平均)等の概要)

 

事業全般および人事関連資料等

Ⅱ-1 事業部門別収支 過去3期分

Ⅱ-2 主要仕入先、販売先(上位10社程度) 過去3期分

Ⅱ-3 拠点一覧(住所、面積等の明細含む)

Ⅱ-4 許認可 ・ ライセンス等のリスト

Ⅱ-5 特許権・商標登録、 その他保有する知的財産権一覧表

Ⅱ-6 従業員の就業規則 (給与規定、退職金規定含む)

Ⅱ-7 役員の退職慰労金規定

 

Ⅲ. 財務関係

Ⅲ-1 税務申告書(確定申告書、貸借対照表、損益計算書、勘定科目明細書)

Ⅲ-2 進行期の月次試算表

Ⅲ-3 今後5年間の事業計画(損益計画、出店計画、人員計画等含む)

Ⅲ-4 今後5年間の設備投資計画および減価償却予想

Ⅲ-5 所有不動産の明細(所有土地・建物リスト、不動産鑑定評価書)

Ⅲ-6 固定資産税評価額資料

Ⅲ-7 賃借物件リスト

Ⅲ-8 グループ内の取引状況がわかる資料(含む役員、株主との取引)

皿-9 保有資産明細(有価証券、保険積立金等) および時価がわかる資料

皿-10 (従業員) 退職給付債務がわかる資料

Ⅲ-11 退職慰労金債務がわかる資料

皿-12 借入金明細一覧(借入先、借入額、金利、期間等)

Ⅲ-13 被保証債務一覧(株主等による債務保証)

Ⅲ-14 保証債務一覧 (貴社による保証債務)

Ⅲ-15 過去の資本取引 (株式の移動、新株発行等)、M&Aについての内容がわかる資料

Ⅲ-16 リースの一覧表

 

法務関連

Ⅳ-1 労働組合の有無 (あればその内容 )

Ⅳ-2 不動産賃貸契約書

Ⅳ-3 事業上重要な契約書

Ⅳ-4 係争中の案件、 クレーム等のリスト

Ⅳ-5 潜在債務リスト

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